東北文庫   ホーム   購入ガイド   このサイトについて   お届け状況   お問い合わせ   サイトマップ
www.tohoku-bunko.jp ホーム ≫書籍一覧 ≫東北開発 かごの中身をみる  
書籍一覧
書名、著者名ほか、キーワードでお探しの本を検索
 

東北開発

地方からの日本学・第四集
高橋富雄東北学論集 第一部 東北論 東北学

東北開発
地方から東北から
みちのく未知の奥
奥ゆかし
古代語の東北学
著者が唱える「東北学」は、「ミヤコ・中央・先進」という国家統一者からの視点だけでなく、「ヒナ・田舎・地方」の視点から日本という国家、東北を検証する。「高橋富雄東北学論集」は、著者のこれまでの論集を網羅し、東北を通して改めて日本を問うものである。東北とは何か? その東北的なるものを解明する。
●3,086円(税込)
●A5判、494頁
●04年9月
●歴史春秋出版
在庫あり:1〜3営業日でお届けします
買い物かごへ入れる かごの中身をみる
内容

本書は、東北開発ということに焦点をあわせた東北史叙述の試みである。これまでも、東北古代の開拓とか、近世の新田開発とかいう種類の研究はあった。現代の地域開発の諸研究はいうまでもない。しかし古代から現代まで、一貫して「開発」を柱に立てた日本史の系統的叙述というものはなかった。本書の特徴は、開発史としての歴史の構想を試論的に提示するところにある。


目次

■はしがき

第一部 東北の歴史的性格

「日本史上の東と西」は、日本土木学会記念講演(71年)、「東北古代史の性格」は秋田大学史学会公開講演(67年)の加筆訂正、また、「明治の東北論」は、著者校訂再刊の半谷清寿『将来の東北』(69年、アイエ書店)の解説の補訂にかかる。

■一、日本史上の東と西
二つの日本/道の奥と東国/えぞすぎぬ/西日本国家/フォッサ・マグナ/関東弁と関西弁/考古学上の東と西/あずまの都督/防人と柵戸/東国行政府の成立/東国のための東国/関が原の役/京に田舎

■二、東北古代史の性格
研究史の現状/西から東へ/二つの日本/北のかたみ/天下の御ため/国生みの最終章/百万町開墾計画/可能性の実験/平泉を用意したもの/平泉文化の背景

■三、明治の東北論−半谷清寿の発見
(1)半谷清寿−その人と思想
はじめに/めぐりあい/事はじめ/東北開発の問題点/土の理論/金こそ食うべし/古くて新しい/掘り出し物/ハンガイの発見/尊徳仕法の中から/富田に代わるもの/一三〇俵の教訓/もう一つの愛国/働く近代/諸業並進/経済と思想/著述による実業/政治経済の道/産業国家論/経世済民/新しき村/職業宗
(2)半谷清寿『将来の東北』
本の成りたち/内容のあらまし/信淵以後/巨視的に/東北表通り論/中原神府の都/ゆたかな現状分析/稲作との対決/二つの日本/その都度論の克服/東北調査会案/東北維新をなしとげるもの/現実的=理想的/益田孝の論文/寒地貧地ならず/特別調査機関設置の建議/産業調査要項/半谷から益田へ/先駆する者

第二部 東北開発の歴史と問題

1963年から66年まで、十二回にわたり『東北開発研究』誌三巻1号から五巻4号に連載したものに、同誌十一巻1号(71年)所載「西南型から東北型へ」を追加、全体を十七章に編成し直し補訂したもので、近世以降は、ほとんご新稿に近いものである。

■一、古代における東北開発の意義
東北開発の歴史的系譜/後進性の歴史的形成/米つくりの前と後/米と日本/道の奥東北/蝦夷の国東北

■二、古代国家の東北開発
西南から東北へ/国づくりの開始/開拓の成果/国づくりの深み

■三、平泉時代の東北開発
平泉の世紀/蝦夷から俘囚へ/奥六郡の司/山北の俘囚主/平泉の統一/平泉下の経済開発/古代の土地開発

■四、平泉の役の歴史的意義
平泉から鎌倉へ/平泉の役/四つに組む/京都・平泉・鎌倉/地頭入部/東北武士の形成/大政治時代

■五、開発史上の中世東北
東北荘園の問題点/荘園の実態/荘園制下の開発/陸奥所の仮名/東北南部の開発/東北北部の開発/東北中央地帯の開発

■六、東北開発史上の太閤検地
古代中世の清算/東北の天下政治/葛西大崎一揆/海はろかいの続くまで/会津知行目録/東北の草高/金山の開発/鉱山支配のあれこれ/西も東も金の山

■七、近世東北の新田開発
近世の石高/東北でのあゆみ/政治開発/新田開発とは/東北諸藩の新田開発/開発史上の人々/津軽開拓の人柱/富田高慶/東北型の問題点

■八、市場ルートの開発
近世の経済と東北/『奥羽海運記』/北国の都/河川の道/東廻り海運/河村瑞賢/西廻り海運/海運行程九千三百里

■九、開発史上の藩政改革
幕政改革の意味するもの/西南型と東北型/藩政改革における西南型/名君型改革/大改め私曲

■十、近代化の構想
開明思想の形成/自然真営道/取直し制作/垂統秘録/近代分析学の開立

■十一、東北の明治維新
裏の明治維新/東北の幕末維新/連年不作国政不立

■十二、維新の近代開発
上からの開発/第二都市/東北七州の分置/東北北海道巡幸/十分の一金禄/皇国中最不幸の民/陰の悲劇/北地跋渉/大地の侍

■十三、東北開物成務
大久保内務卿/典事中条政恒/開成社中/安積士族授産/松ケ岡力食授産/野蒜築港工事

■十四、近代の地主制と土地開発
近代化と土地所有/一実業家の告白/千町歩地主/食糧基地開発/東北の水田開発

■十五、総合開発計画
東北振興会/東北振興考査委員会/東北振興調査会/特殊株式会社/総合開発計画/模範型計画/開発三法まで

■十六、開発計画の総括
長い序章からの反省/ミニマム・エセンシャルズ/後進性の理論/後進性の歴史構造/開発になる開発論の開発

■十七、西南型から東北型へ
転換/開発は開発になるか/イーハトーヴォ/開発の原点/西南型パタンの崩壊/東北型パタン

■あとがき