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秋田 風と土とのメッセージ


秋田魁新報社文化部 編

秋田 風と土とのメッセージ
秋田県ゆかりの多彩な文人、芸術家たちが登場し、それぞれの分野で名を成すまでのドラマを、単なる伝記にとどまらない形で紹介する。
●1,980円(税込)
●A5判、305頁
●01年3月第一刷
●秋田魁新報社
在庫あり:1〜3営業日でお届けします
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目次


■はじめに 秋田魁新報社代表取締役・佐藤暢男

■大野台の詩
詩人・押切順三(おしきり・じゅんぞう)/詩人・畠山義郎(はたけやま・よしろう)
・「農」を映した詩1編 リンゴ園で宴を張る/エスプリを吸いとる/日本の名詩にも収載
・浮ぶ開拓民の苦悩 薪炭手に入らず困惑
・手携え苦難乗り切る 「私の内なる叙情詩」/わらに身を寄せ会議/苦労の終わりを実感
■岩偶、何を語る
県埋蔵文化財センター学芸主事・高橋 学(たかはし・まなぶ)
・縄文の使者「ニヤリ」 完成度の高さに驚き
・現代人の心見つめる 全国で一躍人気者に/表情に感性の豊かさ
■梅津梅叟
梅津梅叟(うめつ・ばいそう)/県文化財保護協議会会員・武田憲雄(たけだ・けんゆう)
・潔く表舞台から去る 病のため26歳で隠居/陣頭に立ち水路通す
・船岡の地に和歌の花 内外の文人墨客訪問/紙芝居で事績顕彰
■大壁画「秋田の行事」
洋画家・藤田嗣治(ふじた・つぐはる)/美術収集家・平野政吉(ひらの・せいきち)
・「世界一の絵」を約束 絵を仲立ちに交友
・土蔵の中に男の熱気 美術館構想が浮上/竿燈が壁画の題材に/「ぶっつけでやるさ」
・174時間で書き上げる 観察眼の鋭さに驚嘆
・画面に会心のサイン トランクに札束の山/建設中断の憂き目に/「絵を見せてほしい」
・30年ぶりに土蔵の外に 美術館建設が終着点/展示の形式に助言も
・光放つ大いなる遺産 5つに分け運び出す/こどもの日が開館日
■松田解子 口伝
作家・松田解子(まつだ・ときこ)
・活況の蔭に鉱夫の死 日本経済の底支える/「継父は今でも憎い」
・「生き方」母から学ぶ 母と手を取り合い涙/逃げるよりまず勉強
・「ヤマ」を去り東京へ 激しい怒り「乳房」に/同郷作家への好奇心
・多喜二らと活動共に 女性像などでも論戦/合法的に闘える世に
・小説に母の半生描く 終戦迎え監視取れる/文体、描写に明るさ
・93歳、募る望郷の念 何度も「おりん体験」/母、先生、文学が支え
■民謡とともに
三味線名人位・浅野梅若(あさの・うめわか)
・梅若、米寿の晴れ舞台 鮮やかなバチさばき
・三味線抱え寝る毎日 小学生で民謡に興味/病気が大きな転機に/祭りなどへ出演依頼
・佐藤貞子との巡業も 先輩の芸に神経集中/熱狂ぶり再現したい
・梅若の芸の肥やしに 復員後、郷里で行商/番組の専属演奏家に
・全国から内弟子集う すべてを学べる修行/実家にいるより幸せ
・「王国」を支える力に 姉妹以上に仲良し/日本一の姿を見たい
■勝平得之
木版画家・勝平得之(かつひら・とくし)
・北国の風俗を版画に 転機は魁紙面の作品/影響受けた木彫講習
・苦心の末、独自技法 創作法得て「得之」に/中央展で初めて入選
・27歳、帝展に初入選 研究に労惜しまず
・タウトの心とらえる 得之の案内に感謝/海外へ作品を紹介
・失われゆく風俗残す 取材活動に全身全霊/父が漉いた紙に刷る
・国を超えて感動呼ぶ 駐留米軍将校が注目/民間伝承を大切に
■ブルーノ・タウト
建築家・ブルーノ・タウト
・亡命者の心を和ます 「秋田には高い文化」/建築面には辛口評価/今も残る宿泊の部屋
・金足に“祖国”を見る 一杯のそばに感激
・かまくらの美に酔う 小正月行事“はしご”/甘酒勧める子供たち
・郷愁誘った夜の雪景 改修で切られた柳/天井から酒のしずく
■露月の心
俳人・石井露月(いしい・ろげつ)
・子規が認めた“鬼才” 文学を志して上京/医術開業試験に合格
・都去り古里に生きる 島田と「俳星」刊行/高らかに奥羽調宣言
・碧梧桐、虚子が訪問 酔って気炎上げる/彼我の違い感じる
・中央的な見方に反論 都会の刺激を批判
・文庫設立し青年啓発 村の経済向上に尽力/3人の死に苦悶
・最後まで地域を思う 壇上で意識を失う/若いころの句に朱筆
■リンゴの唄
映画監督・佐々木康(ささき・やすし)
・敗戦直後、増田でロケ 戦後第一号の邦画
・全国に“明るさ”発信 「適地適産」の場所/44年後に歌碑建立
・記念碑建て歌い継ぐ 撮影前に母が他界
・「増田は第二の古里」 世に出なかった歌詞/秋にはコンクール
■秋田犬
・歴史刻む天然記念物 猟犬、闘犬から番犬/重宝がられた毛皮
・絶滅の危機を逃れる 「標準」便りに原型へ/ルーツは中国に?
・今も生き続けるハチ 渋谷駅で帰りを待つ/「主人への真の愛情」
・平和の使者、米国へ “毛皮を着た天使”/23年に銅像を再建
■山田順子
作家・山田順子(やまだ・ゆきこ)
・妻の座を捨て文学へ 男友達と同人誌編集/夫と秋声を訪ねる
・自由奔放に生き抜く 「順子もの」の集大成/晩年は古里懐かしむ
■広幡 憲
画家・広幡 憲(ひろはた・けん)
・清水の里・中仙町に生 叔母の元へ養子に
・画家への夢破れ帰郷 大学を2年で中退/苦い思い抱きながら
・来県した藤田に心酔 兄は同人誌を発行/農村から時代へ発信/「夕刊秋田」の記者に
・再び上京、二科に入選 藤田の助言を大切に
・薄鈍色のモダニズム 恋人の豪邸で暮らす/広幡の才能を尊敬/独特の色彩感と構成
・37歳、黎明見ずに死す 「自由美術」へ移籍
■後藤逸女
歌人・後藤逸女(ごとう・いつじょ)
・階級超え数々の交流 稲川町の農家に生/膨大な資料を研究/利発さ、幼少から評判
・歌才認められ江戸へ 明るく誠実な人柄
・栄達の道捨て郷里へ 歌に心模様の一端/生き方に深い敬愛/手紙に心配りの厚さ
・「心の富」生涯失わず 悲しみが病を重く
■蓑虫山人
絵師・蓑虫山人(みのむし・さんじん)
・明治期、本県を歴遊 土岐一族の末裔/考古品に興味示す
・埋もれゆく風俗描写 普通の光景残す/記録として価値評価
・北の民俗に引かれる 展示品収集の宝庫/さまざまな情報提供/麗家の庭を造園
・旧家での歓待に感謝 来年は没後100年
■矢田津世子
作家・矢田津世子(やだ・つせこ)
・上京、作家への道歩む 「内面世界」持ち味に
・心寄せ続けた五城目 五城目町で子供時代/文学修業のため上京/女流作家の「わな」に
・花形作家への夢散る 別人のように内向的/作風が大きく変わる
・心は帰る、古里秋田に 最高作の中に五城目/病を押して筆を執る
■西馬音内盆踊り
詩人・小坂太郎(こさか・たろう)
・解き放たれる北の女 伸びた細腕が宙舞う/上方文化が伝わる
・夏の宵に身を焦がす 古里の自然と一体化/精気みなぎる表情に
■舞踏家・土方 巽
舞踏家・土方 巽(ひじかた・たつみ)
・俺は跳ばないを跳ぶ 自分のルーツたどる/大野の踊りから衝撃
・「古里の原風景」表現 多くの芸人と出会う
・高校時代、前衛の予兆 鋭い目の奥に優しさ/多くの芸術家ら魅了
・羽後での姿 ハプニングの記録
・身に潜む表現の素材 「飯詰」が踊りの源/イメージは舞踏譜に
・病床で旅立ちの踊り 「跳べない跳ぶ」貫く/精神は若者が継承
■伊藤永之介
作家・伊藤永之介(いとう・えいのすけ)
・農民の叫び世に問う 鳥類もので地位築く/和崎ハルの娘と結婚
・濁酒密売描いた「梟」
・愛と怒りの文学貫く 注目を集める鋭筆/疎開時に農業かじる
・「秋田文学」創刊に力 表紙絵は福田の作品/「警察日記」が時流に
・八郎潟干拓に深い関心 しょっつるが大好物/児童文学作家の顔も/苦悩する姿くっきり
・没後40年新たに選集 仏作家の作品に閃き
■福田豊四郎
日本画家・福田豊四郎(ふくだ・とよしろう)
・豊かな鉱山町に育つ 故郷の特徴書き記す/川端龍子に弟子入り帝展への出展を志願
・自由な心で日本画開拓 芸術の孤独さ痛感
・自宅には郷土の食材 描くことで心満たす/美しさにこだわり
・優しい目で人間礼賛 新鮮な意図を表現/農村の現実を描く
・都に暮らし古里思う 小説の挿絵でも活躍/晩年は楽しんで制作
・小さな命に深い愛情 カエルに自己を投影/穏やかだが芯は強い
■姉と弟−文学の道
詩人・坂本梅子(さかもと・うめこ)/作家・千葉治平(ちば・じへい)
・詩情豊か、田沢村に生 24歳、鮮烈デビュー/描写力を高く評価
・千葉治平の小説当選 古里の変化に心沈む/文学の師と出会う
・青春期、満州で学ぶ 地上文学賞を受賞/作家の目で姉を見る
・「虜愁記」が直木賞に 土、日は執筆活動/大地は生命そのもの
・住む地・中仙を凝視 焼きついた神秘性
・燃える米寿の「詩塊」 ほとばしる詩言葉/詩の本質、目の前に/「こわいくらい…」
・「自然と人間」に視点 言葉を書き留める/作家活動一本に絞る/3度目の療養生活
■建築家・下田菊太郎
下田菊太郎(しもだ・きくたろう)
・忘れ去られた“鬼才” 生家は角館の士族/18歳で工部大学校へ/異能ぶり煙たがられ
・実力者と対立し渡米 分秒を惜しみ勉励
・米で目覚ましい活躍 ライトの秘書を妻に/師からの反応は皆無/目黒代議士が助力
・長崎の作品が重文に 横浜で本領を発揮
・「帝冠併合式」を提唱 欧州の模倣に“異議”/意匠変更の請願採択/70年後半から再評価
・議院設計変更に執念 東北の芸術は縄文的
■羽後の鷹匠
鷹匠・武田宇市郎(たけだ・ういちろう)
・野生に同化し自然へ 自然環境を逆手に/タカを操るだいご味
・雪深い山村の生業に わが子同然に飼育/絶食で狩りの準備
・存続かけ有志結集 飼育費の採算とれず/「育てる会」を結成/環境庁に許可願提出
・時代にのまれ姿消す 文学碑には45名の名
■山内杜氏(さんないとじ)
山内杜氏・高橋藤一(たかはし・といち)
・生活の糧求め蔵入り 出稼ぎの形で携わる/「若勢市」で主従契約
・結束強めた地・血縁 盛期は昭和40年前後/情報もとに蔵人探す
・周囲の尊敬、一身に 蔵で賭け事は御法度/出来が生活を左右
・崩れゆく相伝の“形” 五感で酒を育てる/“変化の波”を体感
■矢口高雄
漫画家・矢口高雄(やぐち・たかお)
・銀行を辞め漫画家に 少年時代から夢抱く/増田町で生まれ育つ
・記憶の古里に温かみ 因習への憤りにじむ/妻子残し、単身上京
・「自然と共に生きる」 「百姓のどこが悪い」/自伝漫画にも力注ぐ
・古里がくれた信条 バイトで旅費稼ぐ/「煩雑な日常に幸せ」
■渡辺喜恵子
作家・渡辺喜恵子(わたなべ・きえこ)
・悲しみを越え作家に おてんばな子供時代/翻訳小説読みあさる
・県人初の直木賞受賞 亡夫への思いつづる/「三田文学」の同人に
・北の女性の愛憎描く 納得がいくまで取材/習俗など詩情豊かに
・海を渡った愛にも光 ハワイに3度足運ぶ/本県女性が募金活動
・鷹巣に心の交流の場 「啄木の妻」が舞台化
・後進育成託し文学賞 寄付を基に基金創設/子供風土記館が完成/母の姿を追い求める
■佐佐木隆と文化座
舞台演出家・佐佐木隆(ささき・たかし)
・多感な青春時代送る 左翼思想の洗礼受ける
・戦中に文化座旗揚げ 「逆賊」呼ばわりされる
・底辺の人たちに視線 新劇の状況に失望/「差別」の構造に怒り
・妥協なき演出魂貫く 入退院繰り返し演出/秋田から温かい手
■赤星藍城
書家・赤星藍城(あかぼし・らんじょう)
・心寄せた生活の「声」 医師として秋田へ/「天下に誇る大書家」
・書道隆盛に大きな力 十聲樓にこもり研究/秋田書道展に貢献
■武道家・富木謙治
武道家・富木謙治(とみき・けんじ)
・競技合気道生みの親 国内外問わず信奉者/母は平福百穂の妹
・文武両道の「角館人」 植芝盛平と出会う/温厚で深い学殖も
・西洋にも合気道紹介 講道館柔道に疑問も/妻は那波家の出身/抑留生活経て帰国
・近代競技への礎築く 武道以外は無関心
■仁部富之助
野鳥生態研究家・仁部富之助(にべ・とみのすけ)
・「陸羽132号」生みの親 実習に明け暮れる/気鋭のコンビ誕生
・おう盛な研究心実る 先進技術取得に情熱/真価を遺憾なく発揮
・花館周辺の野鳥観察 研究に没頭の日々/小説思わせる物語
・「野の鳥の生態」著す 細かく記した記録
・20年 野鳥観察に没頭 事実は永久に真実/苦労の末、写真撮影
・研究は世界的な価値 「鳥のファーブル」/“野の人”貫いた人生
■金沢秀之助
洋画家・金沢秀之助(かなざわ・ひでのすけ)
・絵の中に「造形」追求 文学、短歌にも傾倒
・若い日にパリで学ぶ 目は「芸術の都」へ/郷土史編さんに奮闘/米批評家が高く評価
・病魔にも情熱衰えず 名誉を望まぬ自由人/常に絵には厳しく/レジェの影響受ける
・遺骨は横手市に眠る 後半生に人生凝縮
■平福百穂
日本画家・平福百穂(ひらふく・ひゃくすい)
・祖父、父の画才を継ぐ 祖父の代から染物業/川端玉章の門下に
・大観と並び称される 「新潮」の表紙も担当/赤彦に毎月200円送金
・角館高校創立に奔走 教育に強い信念持つ/校舎をピンク色に
・郷土愛、友情貫く 秋田蘭画を広く紹介/「アララギ派を統率」
■澤木隆子
詩人・澤木隆子(さわき・たかこ)
・香り立つ清新な抒情 マドンナ的存在に/光る感性と新鮮さ/「白鳩」に投稿、入選
・昭和初期の詩壇彩る 魁の文化欄に寄稿
・秋田の詩壇をリード 広い視野と鋭い詩/叙情のうねり編む/民話の世界に愛着
・「世界見つめた詩を」 女性に詩作を促す