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東北−その歴史と文化を探る 人文社会科学講演シリーズ 1
花登正宏 編 |
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東北の歴史と文化を、時代は旧石器時代から江戸時代、研究分野・テーマは考古学から旧石器文化の石器、日本史学から古代陸奥国の歴史、美術史学から古代の仏像、日本思想史学から近世学問と、4テーマからの最新研究成果を語る。 |
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● 1,650円(税込) ● 四六判、177頁 ● 06年3月 ● 東北大学出版会 |
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在庫あり:1〜3営業日でお届けします |
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阿子島香「先史の東北−石器と人々」は、三万年前にさかのぼる宮城県内の後期旧石器時代を紹介。石器を通してわかる人々の暮らしを、世界の中での東北旧石器文化という観点から明らかにする。
今泉隆雄「郡山遺跡の時代」は、仙台市太白区にある七世紀半ば〜八世紀初めの役所・郡山遺跡の解明から、飛鳥や藤原京などの都、また越後国とくらべながら、この時期の陸奥国の辺境経営を語る。
長岡龍作「みちのくの仏像−造形と風土」は、平安時代初めの東北の仏像を歴史の中に位置づけ、仏像が果たした役割、経典・儀式、立地などから、その造形の意味を考える。
高橋章則「さまざまな東北文化の紹介者たち」は、江戸時代東北の思想・学問研究における伊勢国と東北の国学者の人的ネットワークを明らかにし、歴史を見る六つの新しい視点を提起する。
■はじめに 今泉隆雄
■先史の東北−石器と人々
東北大学大学院文学研究科/考古学 阿子島香(あこしま かおる)
はじめに
一、生活の中の石器
(一)遺跡の形成と石器の製作
(二)石器の使い方の復元
(三)石材の多様性と石器の種類
二、仙台周辺の遺跡に見る石器と人々
(一)宮城県内の旧石器時代遺跡
(二)山田上ノ台遺跡と富沢遺跡
(三)上ノ原山遺跡
(四)青葉山E遺跡
おわりに
■郡山遺跡の時代
東北大学大学院文学研究科/日本史 今泉隆雄(いまいずみ たかお)
はじめに
一、大化の改新と陸奥国
(一)国造制から国評制へ
(二)陸奥国の国評制
二、郡山遺跡の概要
1期官衙/2期官衙/2期官衙の造営尺度/郡山廃寺
三、2期官衙と宮都
(一)2期官衙と藤原京
官衙域・宮城域/外囲いの構造/藤原京モデル
(二)2期官衙と飛鳥の京
二つの石組池/蝦夷の服属儀礼/太白山/2期官衙の造営年代と宮都との関係
四、郡山遺跡の性格
(一)1期官衙と渟足柵・磐舟柵
1期官衙と渟足・磐舟柵/関東系土器と移民/城柵の施設
(二)2期官衙と陸奥国府
陸奥国府への駅路/2期官衙から多賀城へ/郡山廃寺から多賀城廃寺へ/藤原宮モデル/郡山遺跡と渟足・磐舟柵
(三)郡山廃寺と多賀城廃寺・筑紫観世音寺
三寺の共通性/多賀城廃寺は観世音寺/観音信仰/郡山廃寺は観世音寺か
五、郡山遺跡の時代
(一)1期官衙=城柵の時代
移民と名取・宮城評/船団による北征
(二)2期官衙=国府の時代
陸奥国司・城司・軍団/3区の支配の拡大と石城・石背国の分国/国府2期官衙の終焉
おわりに
■みちのくの仏像−造形と風土
東北大学大学院文学研究科/東洋・日本美術史 長岡龍作(ながおか りゅうさく)
はじめに
一、みちのくの古仏の種類と時代
(一)薬師如来
(二)四天王と梵天・帝釈天
(三)吉祥天
(四)観音菩薩
二、薬師如来・観音菩薩・吉祥天の役割
(一)薬師如来と観音菩薩
(二)吉祥天
(三)滅罪と仏像
三、四天王像、梵天・帝釈天像の役割
四、仏像の主題と表現
(一)四天王の持物と梵天・帝釈天
(二)仏像の眼差しの意味
五、仏像の居場所−地域と立地
(一)四天王の居場所
(二)薬師如来の居場所
おわりに
■さまざまな東北文化の紹介者たち
東北大学大学院文学研究科/日本思想史 高橋章則(たかはし あきのり)
一、はじめに
(一)歴史の主人公は誰?
(二)自己紹介にかえて−ジャカルタ滞在から得たもの
(三)媒介の視点(中間者への着目)−ジャカルタの地理と歴史
(四)歴史の複数の定点
(五)「媒介者」が付与する個性
(六)「媒介」の本質はいろいろな形の「移動」
二、文化のカウント方法の転換−学問を「媒介」する「書物(板本・写本)」のはたらきを例に
三、沖安海の生業と学問
(一)「媒介者」沖安海登場
(二)沖安海の伝記−『三重先賢伝』と墓誌
(三)安海の痕跡−岩出山須江家の安海短冊と安海歌集
(四)安海の弟子・岩崎綱雄−『栗原郡旧地考』と安海
(五)岩崎綱雄の学問的自負と学問の「媒介者」沖安海
(六)安海の弟子・長崎賢崇
(七)安海『黄金山神社考』−「余所者(よそもの)」が発見した「地域」世界
四、まとめにかえて
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