|
|
|
奥州藤原四代・甦る秘宝 増補・改訂版
遠山 崇 著、岩手日報社 編 |
|
|
金色堂の解体修理や史実を基に、比類ない荘厳さを誇る平泉文化の神髄に迫る。
|
|
●1,519円(税込) ●A5判・285頁 ●93年4月第一刷、05年6月第三刷 ●岩手日報社 |
|
在庫あり:1〜3営業日でお届けします |
|
|
|
平泉文化の神髄が金色堂というには、創設者の精神を宿した肉体の安住所だからである。その肉体の秘仏は、昭和二十五年の遺体調査によって明らかにされた。そして今、その安置所の秘密が明らかにされようとしている。これが今日まで何の疑いも持たれずに、東北、いな日本最高の漆工建造物と思われていたものが、実は4回も塗り直し、最も拙劣な塗法を見ていたといったら、どういうことになるだろうか。
実は創建当初の技法をそのまま再建することができるとすれば、それは遠くエジプトの技法を伝えたものであり、わが国最高の工芸品的技法の頂点を示すものであることが判明したとしたら、人々は何というのだろうか。螺鈿細工はそれだけではなく、宝玉との組み合わせであり、漆工は平塵塗り、梨子地塗りなど、砂金との組み合わせであり、それは東洋の資材と日本の芸術との組み合わせであり、中央文化と奥州財力との競合の所産である。(序文より抜粋)
■序
■初代・清衡
藤原氏の雄図/数奇な半生/明敏な才幹/京との協調/仏教に傾倒/天台宗の普及/臨池伽藍様式/異彩放つ清衡経/一流人を動員/落慶供養の儀/川西念仏剣舞/清衡、大往生
■金色堂
棟札に三女性/華麗な構造/造形美の極致/独創的な装飾/須弥壇の妙麗/特異な仏像配置/螺鈿技法の妙
■ミイラ
遺体眠る金棺/原形近い二体/エゾか辺民か/自然か人工か/豪華な副葬品/遺体への錯覚
■経蔵
極彩色で華麗/「宋」直輸入の経/八角の須弥壇/独創の曼荼羅/人肌の金輪仏
■二代・基衡
豪気果敢な性格/巧みな外交術/毛越寺造営へ/浄土を地上に/妻も寺院建立
■三代・秀衡
文武に秀でる/保元・平治の乱/義経を迎える/義経、兄と対面/秀衡、動かず/孤立する義仲/無敵の義経/平氏が滅亡/頼朝の勘気/義経、都落ち/秀衡に外交攻勢/伸びる文化圏/義経、平泉へ/秀衡の急死
■四代・泰衡
気弱く正直者/義経の最期/頼朝の進撃急/泰衡の末路/藤原氏滅びる/頼朝、奥州制す/兼任の反乱
■北条政権
暗闘の末確立/幕府直轄地に/荒廃する寺塔
■南北朝期
足利氏と顕家/中尊寺が焼失/奥州の南北朝/足利方の内紛/奥州の力頼む/室町期の平泉
■秀吉・家康
奥州を統一/霊場・金色堂/寺社統制ヘ
■伊達統治
政宗の改修/伊達氏の保護/元禄期の平泉/元禄の修理/芭蕉の訪問/内見しきり/遺体への関心/弁慶堂を再建/中尊寺の能/毛越寺の延年
■明治期
神仏分離令/明治天皇巡幸/国営修理第一号/文化財の宝庫
■昭和期
覆堂を解体/終戦時の窮迫/世紀の遺体調査/記録的な成果/一切経を修理/華鬘(けまん)の盗難/讃衡蔵を建設/防災網を整備/別格大寺に昇格/解体修理に着手/現状維持に主眼/鉄筋の新覆堂/建立は室町期?/時宜を得た補修/絶妙な配色法/金線の大壁画/供養願文の疑問/矛盾する文献/難作業の修理/黄金輝く光堂/世界の金色堂/岩手国体と一山/両陛下のご訪問
■あとがき
■年表
■発刊にあたって
|
|
|
|
|
|