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聞き書「岩手の食事」

日本の食生活全集 3
古沢典夫 他編

聞き書「岩手の食事」
聞き書「青森の食事」
聞き書「宮城の食事」
聞き書「秋田の食事」
聞き書「山形の食事」
聞き書「福島の食事」
聞き書「新潟の食事」
南は太平洋に接し、北に奥羽山系をいただく岩手は、地勢の変化に富み、歴史的には南は伊達藩、北は南部藩に支配されていた藩制時代のちがいが、食文化の地域差に色濃くあらわれている。
●2,983円(税込)
●A5判、376頁
●84年9月
●農文協
在庫あり:1〜3営業日でお届けします
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内容

県の南部は、米を中心とした「もち文化」、北部地域はひえ、そば、小麦、大豆を中心にした「雑穀文化」に大きく二分される。そこには、寒さと雪を生かした貯蔵や加工の技術、雑穀の利用による独特な調味料の工夫、平野部における米麦の多面的な利用のなかに、全国一といわれるもち料理の多彩さをみることができる。


目次

■「県北の食」=ひえ、あわ、そば、大豆を多彩に生かす

一、四季の食生活
◎冬…手間をかけた豊富な料理
 主食はひえ(日常の食生活)/神さまとともに(晴れ食、行事食)/寒さを利用した食の準備/農神さまを迎えて(節句、彼岸のころ)
◎春…山菜、野菜の季節
 農繁期に備える(日常の食生活)/田植えどきの白米飯(晴れ食、行事食)
◎夏…お盆の精進料理など
 暑さしのぎの工夫(日常の食生活)/夏祭りとお盆(晴れ食、行事食)
◎秋…きのこに九日もちで秋を乗りきる
 稲刈りには米の粉もち(日常の食生活)/もちにだんご(晴れ食、行事食)

二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
 ごはん、こねもの、もち、じゃがいも、かぶ、かぼちゃは準主食、豆類は大切な脇役
◎ひえ〈ひえ利用のしくみ〉
 かぐら飯、ひえけえ、笹巻、二穀飯、三穀飯など、ひえしとぎ
◎そば〈そば利用のしくみ〉
 そばねり、かぶけえもち、けえばもち類、うちわもち、串もち、きらずもち、柳ばっとう、そば切り、青そばのからしあえ
◎小麦と大麦〈麦類利用のしくみ〉
 ひっつみ、へなか当て、送りばっとう、生ふの味噌漬、焼きふの煮もの、麦けえ
◎あわ、きび、もろこし〈利用のしくみ〉
 かぶけえ、あわもち、あめもち、浮き浮きだんご
◎大豆〈大豆利用のしくみ〉
 豆腐の味噌でんがく、豆ぶ汁、おつこもち、おつこ汁、きらずきゃこ、かすおもし、ひたし豆、豆しとぎ
◎小豆、その他の豆類、かぼちゃの利用
 小豆飯、小豆入り七草がゆ、だいすこけえ、けえの汁、かぼちゃがゆ、かぼちゃ小豆がゆ

三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜、きのこ〈利用のしくみ〉
 煮しめ、菊のくるみあえ
◎海産物と魚介類など〈利用のしくみ〉
 にしん、がに
◎果物、おやつ
 野山や川原の果実、屋敷まわりの果実、あわの水あめ
◎酒類、飲みもの
 どぶろく、卵酒、かすどべ、甘酒、白酒、果実酒など

四、伝承される味覚
◎素材の味を引き出す工夫
◎味つけと味覚
 南部の玉味噌、澄まし、ごど、漬物汁
◎漬物類
 わが家自慢の季節漬物、根ものの漬物、茎葉・野菜・山菜の漬物、味噌漬各種、身欠きにしんの大漬
◎食用油・酢類、薬味・つま・香辛料的な素材と使い方
 じゅうね油、じゅうね味噌

五、遠野の食生活
◎山と川の恵み、民俗行事
 花まんじゅう、かねなり、けいらん、山ぶどう漬

六、県北の食、自然、農業

■「県央の食」=米麦の多面利用が食全体を豊かに

一、四季の食生活
◎冬…農閑期、手間をかけ食事を楽しむ
 青もの保存、主穀の端境期まで考えて(日常の食生活)/最上等のものを供え、味わう(晴れ食、行事食)
◎春…農作業の始まり、腹もちのよい麦飯と漬物
 麦飯と干し野菜、凍み大根(日常の食生活)/田植えどきの赤飯、身欠きにしん(晴れ食、行事食)
◎夏…農繁期、麦飯と野菜料理の日々
 豊富な野菜で変化をつける(日常の食生活)/忙中のひと休みと収穫期への備え(晴れ食、行事食)
◎秋…最農繁期と収穫の喜びの食事
 なす料理の日々とかぼちゃひっつみ(日常の食生活)/秋祭りから庭仕舞いまで(晴れ食、行事食)

二、基本食の加工と料理
◎県央の基本食の成り立ち
 ごはん、しとねもの、もち
◎米〈米利用のしくみ〉
 大根かて飯、かんぴょう飯、じゃがいも飯、干し葉飯、うるい飯、麦飯、七草がゆ、凍みもち、こっけえ、おつゆだんご、串だんご、小豆だんご、ごまだんご、彼岸だんご、かま焼き、きりせんしょ、おちゃもち
◎小麦、大麦〈利用のしくみ〉
 ひっつみ
◎そば、ひえ、あわ
 そばけもち
◎大豆〈大豆利用のしくみ〉
 八杯豆腐、ぬっぺい汁、臼納豆、干し納豆
◎その他の豆類
 しゃべこと汁
◎いも、かぼちゃ

三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜〈利用のしくみ〉
 切干し大根の煮つけ、切干し大根の炒め煮、凍み大根の煮もの、干し葉汁、かす汁、ずぼぬき、芋の子汁、芋の子のくるみ醤油あえ、いもがらのくるみあえ、野菜やこんにゃくの豆腐あえ、くるみあえ、ながいものきんとん、みずとろろ、うこぎのほろほろ
◎海産物と魚貝類〈利用のしくみ〉
 身欠きにしんのかす漬、身欠きにしんのもろみ漬、さば節とたまねぎのあんかけ、さがの吸いもの、さがのあら汁、なめたの吸いもの、川魚料理
◎その他の動物性食品
◎おやつ、果物、酒
 水あめ、山ぶどう酒、甘酒、白酒

四、伝承される味覚
◎味噌…米こうじを使って仕込む
◎醤油…自家しぼりは少ない
◎漬物…年中切らさないで
 梅漬、ししの葉としその実の塩漬、あんずの甘漬、高菜の塩漬、きゅうりの塩漬、なすの塩漬、がっくら漬、こぬか漬、みのぼしなんばん、きんこん漬
◎油、酢…ちょっぴり使う貴重品

五、県央の食、自然、農業

■「県南の食」=もちの食べかたの多彩さは全国一

一、四季の食生活
◎冬…庭仕舞いの日からつづくもち料理
 仕事をしながらすする甘酒(日常の食生活)/なんのかんのともちを搗く(晴れ食、行事食)
◎春…米の割合がふえる労働食と野草の香り
 食いのばした米を豊富に(日常の食生活)/神さまに供えるお田植えの赤飯(晴れ食、行事食)
◎夏…田植え、麦刈り、お盆の行事
 待ちどおしい小昼のげんべた(日常の食生活)/多彩なお盆の精進料理(晴れ食、行事食)
◎秋…魚もときどき手に入れて
 具が豊富な小麦ばっとう(日常の食生活)/名月は栗と芋の子(晴れ食、行事食)

二、基本食の加工と料理
◎県南の基本食の成り立ち
 ごはん、もち、しとねもの
◎米〈米利用のしくみ〉
 くるみごはん、ごま飯、ゆりぶかし、えのはなごはん、赤飯、もちの本膳料理、小豆もち、雑煮もち、豆腐もち、じゅうねもち、よもぎもち、ごぼうつ葉もち、きな粉もち、かくらせもち
◎小麦〈小麦利用のしくみ〉
 小豆ばっとう、まんがばっとう、げんべた、麦まんじゅう、葉焼き
◎大豆〈大豆利用のしくみ〉
 凍み豆腐のつくり方、凍み豆腐料理

三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜
 なすのほど蒸し、なすのずんだあえ、ざく煮、くるみ豆腐
◎川や池、田んぼの魚貝類
 煮つぶ、がにの芋の子汁、なまずのすり身汁、どじょう汁
◎果物、おやつ、甘酒
 干し柿、柿の漬物、柿もち、かめ焼き、甘酒

四、伝承される味覚−味噌
 県南の味噌のつくり方、味噌大根と澄まし、味噌のいろいろな食べ方

五、県南の食、自然、農業

■「三陸沿岸の食」=浜の四季と魚貝、海草、味の競演

一、四季の食生活
◎冬…海草、貝類の漁でにぎわう磯辺
◎春…涼味を呼ぶうに、ほや、まんぼう
◎夏…するめ、あわび、いわしがあふれる浜
◎秋…さけ、たら、毛がにが冬の味覚の王

二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ち
◎三陸の特徴的な料理
 めのこ飯、くるみ雑煮、ひゅうじ、ひもか、へなか当て

三、季節素材の利用法
◎三陸の海産物の利用のしくみ
◎さまざまな魚料理
 塩引き、塩引きの頭と豆の煮つけ、かす炊き、はらこの醤油漬、はらこなます、さけの氷頭なます、白っ子の味噌汁、たらの刺身、たらのきくの吸いもの、たらのそぼろ、たらの味噌汁、たらのかす炊き、干しだら、するめの刺身、するめのぽっぽ煮、するめの白っ子汁、するめの腑味噌、するめの口の煮つけ、するめの塩辛、塩辛の大根おろし煮、いわしのするみ、いわしの塩炊き、いわしのぬた、かつおの刺身、ぼや節、ぼや節ときゅうりの酢のもの、どんこ汁、どんこのさかさ焼、どんこなます、さめのでんがく、さめの刺身、まんぼうの刺身、さめのみのともあえ
◎うに、ほや、その他の料理
 水かぜ、貝焼き、ざるあげ、ほやの酢のもの、毛がに
◎魚貝の内臓料理
 あわびのとしるの煮つけ、あわびのとしるの切り込み、ほっちの塩焼き、ぎっちょのぬた
◎浜の海草料理
 すっけーこの味噌汁、まづぼの酢のものと味噌汁、ふのりの味噌汁、めかぶとろろ、てんよのきな粉かけ、ぞうがとしゅうり貝の煮つけ

四、三陸沿岸の食、自然、農業、漁業

■「奥羽山系の食」=山菜、きのこ、すし漬の宝庫

一、四季の食生活
◎冬…山菜や魚の漬物でいろどられる雪中の暮らし
 雑穀、山菜、きのこの上手な組合わせ(日常の食生活)/なにはともあれ白米の飯ともち(晴れ食、行事食)
◎春…とりたての山菜をふんだんに
 春の香りがいっぱいの山の幸(日常の食生活)/山菜が並び、かどのすし漬も(晴れ食、行事食)
◎夏…「たばこ」を含む四回の食事
 実だくさんの味噌汁にみずとろろ(日常の食生活)/かすべの煮つけとてん(晴れ食、行事食)
◎秋…収穫の合い間に越冬用の漬物など
 かで飯に塩ますの頭の三平汁(日常の食生活)/もちとどぶろくと豆料理(晴れ食、行事食)

二、基本食の加工と料理
◎米を主に、あわ、ひえを混ぜて
◎ひえを主に、山菜入りひえかで飯
◎大豆の多様な加工と食べ方
 搗き豆腐、雪納豆、納豆汁、さくらなます

三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜、きのこ
 野菜−かで用、漬物用を中心に(きゅうり汁)/山菜−それぞれの持ち味を生かす(ぜんまいのくるみあえ、わらびのおひたし、わらびの塩漬、ふきの煮つけ、ばっけの酢味噌あえ、うるいの煮つけ、うるいの油炒め、うるいの味噌汁)/きのこ−上手に保存して一年中楽しむ(まえだけの吸いもの、まえだけの煮しめ、ぶなめえあごとなすの煮つけ、きくらげ)
◎買って食べる魚と川でとる魚
 買って食べる海の魚、かすべの煮つけ、川魚・どじょう・つぶ
◎山の動物たちと小家畜
 野山のけだもの、うさぎと鶏、うさぎ汁

四、伝承される味覚
 うるいの漬物、みずとろろ、ぜんまいの一本煮、大根の一本漬、なすのごはん漬、かどのすし漬、はたはたのすし漬、かどのこぬか漬

五、奥羽山系の食、自然、農業

■人の一生と食べもの

一、凶作、飢餓のさい−救荒食
 第一期−食いのばし、第二期−草の根、笹の実も食べる、第三期−食べられるものはなんでも
 しだみもち・とちもち類/わらびの根もち、くず粉、ところ粉/山菜、野菜、作物の葉など
二、薬効のある食べもの
三、季節ごとの保健食
四、お産と食べもの
五、冠婚葬祭と食事
 結婚、婚礼のさいに/葬儀と食事

■岩手の食とその背景

一、日本の中の岩手−岩手の食の特徴
 自給型食生活の原点の遺存/大きな地域差と明確な地域性/むらの暮らしと行事食、晴れ食の伝承/長い冬に備え寒さと雪を活かす技術/特異な調味料と大豆食品
二、岩手の地域区分とその指標
三、食を支える自然と農業
◎県北の食、自然、農業
 ひえ−麦−大豆の二年三毛作/焼畑輪作と山の利用/農業のかなめ−馬/川や海とのかかわり
◎県央の食、自然、農業
 水田農業と畑の二毛作/家畜との共存/山や川とのかかわり/海とのかかわり
◎県南の食、自然、農業
 北上川下流域にひらけた豊かな稲作/洪水に備えた畑地の使い分け/山や川とのかかわり
◎三陸の食、自然、漁業、農業
 三陸の歴史と自然/重茂−三陸漁場の中心地
◎奥羽山系の食、自然、農業
 高山に囲まれた盆地/おもな農作物/川や海とのかかわり

■岩手の食−資料

◎県北・軽米での基本食とその食べ方
◎県央・紫波での基本食とその食べ方
◎県南・平泉での基本食とその食べ方
◎県北・軽米での野菜、山菜、果実、きのこ利用
◎奥羽山系での山菜、きのこ、海産物、山の獣などの利用
◎岩手県沿岸の漁獲期と加工・調理
◎県北・年間の食生活暦(例)
◎県南・年間の食生活暦(例)

■索引
■付録
■調査・取材協力者一覧