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聞き書「新潟の食事」 日本の食生活全集 15
本間伸夫 他編 |
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「炊く」「蒸す」「搗く」「こねる」「焼く」。お米をさまざまに味わい分けてきた新潟県内を、六つの食文化圏に分けて、それぞれの地域の豊饒を聞いた。 |
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●3,038円(税込) ●A5判、378頁 ●85年8月 ●農文協 |
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在庫あり:1〜3営業日でお届けします |
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豊かな水が育む豊饒−新潟の食。越後の山脈に積もった雪は、春、田畑をうるおし、川や潟の魚貝、鳥、植物を育てて海へと注ぐ。その地域地域、四季折々、豊かな水と肥沃な田畑がもたらす恵みを最大限に生かす新潟の食。
■「蒲原の食」=潟と田と川の恵みに囲まれて
一、四季の食生活
◎冬…刈上げから春の彼岸まで
からだが温まる雑魚料理(日常の食生活)/正月は地主のように(晴れ食、行事食)
◎春…ごみ入れからさなぶりまで
うるめは春の味(日常の食生活)/きつい田植えを乗り切る(晴れ食、行事食)
◎夏…天王さま、地蔵尊、盆、村祭り
子どもも手伝うどじょうの汁(日常の食生活)/夏祭りとお盆のごちそう(晴れ食、行事食)
◎秋…稲刈りから刈上げまで
てんこぶかしにさつまいも(日常の食生活)/鳥の巣を祝っておはぎを(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
ごはん、だんご、もち、その他
◎米
利用のしくみ、ごはん・ぞうすいなど(かて飯、てんこぶかし、くじらぞうすい、干し赤飯ほか)、ちまき、だんご、もち(ちまき、笹だんご、醤油だんご、笹もち、粉もち、草もち)
◎大豆〈利用のしくみ〉
豆腐、つぶし豆、炒り豆の砂糖からげほか
三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜、きのこ
利用のしくみ、沼の植物の食べ方と野菜料理(とばす、どんばす、菱の実、いとこ煮、のっぺほか)
◎潟の魚貝と野鳥
利用のしくみ、ふな・うるめ・どじょう・かに・えびの食べ方(小鳥焼き、うるめのつくだ煮、どじょうのはたきだんご、かにのだんご汁、えびと大根の細引き煮、こぬかえびの煮もの)、いわしとさけ、かも・入内すずめ(かもの醤油煮)
◎果物、おやつ、飲み水
たなばた米、あめ、飲み水
四、伝承される味覚
◎味噌と醤油
米味噌、たまり・たれ、納豆醤油の実ほか
◎漬物
くき菜のこうじ漬、ずいきの酢漬、大根のからし漬、はす根の味噌漬
◎さけの塩俵漬と飯ずし、塩漬いわし
◎甘酒、どぶろく、ぐみ酒
五、山の蒲原(室谷)の食生活
◎山と川の恵みを分かち合って
◎山仕事と食事
米とそばの食べ方(たんぽ、とちもち、手打ちそば、たかとおそば、でろばなだんご、大師講がゆ、かいもち・がんきょうそばほか)、山菜と野菜の料理(みずな汁、みずなとろろ、くず、まつたけ醤油、わっぱさみ)、川魚の料理(魚おほおの葉蒸し、ますのすし漬、あゆのすし漬)
六、蒲原の食、自然、農業
■「岩船の食」=鮭の川、三面川とともに生きる
一、四季の食生活
◎冬…田の神さまを送って野立ちまで
大根飯に雑魚のこみそ煮(日常の食生活)/さけ一尾でととのうお膳(晴れ食、行事食)
◎春…田の神さまから田植え前まで
■菜に岩船かぶ、やまうど(日常の食生活)/節句、春祭りのごちそう(晴れ食、行事食)
◎夏…暮らしの節目、村上大祭、お盆
三面川のあゆやうぐいが食卓に(日常の食生活)/村上大祭、お盆のごちそう(晴れ食、行事食)
◎秋…はさつきから刈上げまで
食欲をそそるむかいわし(日常の食生活)/あゆの塩焼き、大海(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
ごはん、こねもの、もち
◎米
利用のしくみ、かて飯(菜飯、いも飯、味噌ぞうすい)、もち(春祭りの草もち、うずらもちほか)
◎大豆〈利用のしくみ〉
納豆と塩納豆、納豆汁
◎小豆〈利用のしくみ〉
◎いも類〈利用のしくみ〉
三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜、きのこ〈利用のしくみ〉
干しかぶのおひたし、大海、なすの油焼き、あさづきのなます、冷や汁、わさび
◎川と海の魚貝〈利用のしくみ〉
雑魚のこみそ煮、酒びたし、醤油はらこほか
◎鶏肉、卵など
◎果物、おやつ
すず米炒り、干し柿、水あめ、水羊かん
四、伝承される味覚
◎味噌−三年味噌の底に味噌漬
◎醤油と醤油の実
◎飯ずし−家ごとに自慢の味
五、岩船の食、自然、農業
■「古志の食」=水漬の技術にみる自給の豊かさ
一、四季の食生活
◎冬…かく節から春の節句まで
朝のいろりに草もちの香り(日常の食生活)/冬の楽しみはごちそうづくり(晴れ食、行事食)
◎春…春薪木伐りから田植えまで
山・野菜を豊富に使って(日常の食生活)/いろどりもちと田植え煮もん(晴れ食、行事食)
◎夏…田植え休みから村祭りまで
暑さに負けない食事のくふう(日常の食生活)/神仏に感謝をこめて(晴れ食、行事食)
◎秋…稲刈り準備からかく節まで
秋野菜を中心にした食事(日常の食生活)/収穫の喜び(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
ごはん類、もち類、こねもの類
◎米〈利用のしくみ〉
ざわ、けんさ焼き、あわ飯、粉かきがゆ、やくもち、草もち、もち料理など
◎そば〈利用のしくみ〉
◎大豆と小豆〈利用のしくみ〉
納豆、炒り豆、粉つらぬき豆と味噌豆、ち豆、小豆まんまと小豆がゆ
◎いも類、かぼちゃ
じゃがいもくず粉
◎水
三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜
利用のしくみ、干し大根といぜこみのつくり方、野菜・山菜料理のいろいろ(大根の煮あえ、のっぺ、かんじょう煮もんとざくざく煮もん、山うどとみょうがの味噌あえ、煮菜、えぐさあえ、なますうりの酢のもの、あえものほか)
◎魚、卵、うさぎなど〈利用のしくみ〉
田植え煮もん
◎果物、おやつ
四、伝承される味覚
◎味噌−味噌玉とこぬかで仕込む
すまし汁、きりあえ・なんばん味噌ほか
◎漬物−たっぷり漬けこんで
たくあん、にしん大根、漬け菜、梅干し
五、県央平場(寺泊)の農耕と食生活
六、古志の食、自然、農業
■「魚沼の食」=信濃川と山々とが出会う地の食
一、四季の食生活
◎冬…秋ごとから春の彼岸まで
あんぶを欠かさない冬の日々(日常の食生活)/白いまんまにととのごっつお(晴れ食、行事食)
◎春…ぼよ切りから田植えまで
山菜がお膳に(日常の食生活)/節句に四月八日(晴れ食、行事食)
◎夏…さなぶりから鎮守さまの祭り
かて飯からふつうのごはんに(日常の食生活)/端午の節句、愛染さま、お盆(晴れ食、行事食)
◎秋…稲刈りから秋ごとまで
涼しくなると再びかて飯に(日常の食生活)/かぶな正月、よーれっこ(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
◎米
どっぱ飯、焼き飯、けんさん焼き、ゆづけ、ぞうすい粉がき、ちまき、とちもち、つきがえし、あんぶ、かきっぽほか
◎そば
そば切り
◎大豆
納豆、納豆醤油の実
三、季節素材の利用法
◎野菜〈利用のしくみ〉
にーな
◎山菜〈利用のしくみ〉
ぜんまい煮もん、わらびのひたし、こごめの煮もん、ふきのとう味噌、やまわさびのひたし、あさづきの酢味噌あえ、のんびるの油炒め、うるいの酢味噌あえ、しおでのひたし、かたこの酢のもの、とりあしの煮つけ、あずきなの酢味噌あえ、たらの芽とおこぎのごま味噌あえ、きのめのひたし、よもぎとやまごっぼ入り草もち、やまだけの煮もの、からいもの味噌漬、またたびの実の塩漬ほか
◎魚貝類
◎山野にある子どもたちのおやつ
四、伝承される味覚
◎味噌−味噌玉と米こうじで
◎漬物
野菜・山菜の漬物(山菜漬、なすの百漬、きゅうり漬、大根漬各種、かぶ菜漬、しその千葉漬、印籠漬、にんじんのこぶ巻き漬、酒粕漬、おから漬、酢漬、はりはり漬)、魚・海草の漬物(にしんだいこ、ぬか漬、そばのりの味噌漬)
五、魚沼の食、自然、農業、養蚕
■「頸城海岸の食」=日本海の幸を求めて海女も活躍
一、四季の食生活
◎冬…時化が続く日本海
時化にぞうすい、凪にかて飯(日常の食生活)/船霊さんのお正月を中心に(晴れ食、行事食)
◎春…祭法螺貝で迎える春の訪れ
海上での食事、海女の食事(日常の食生活)/心はずむ春祭り(晴れ食、行事食)
◎夏…手ぐり漁、海草とりに大忙し
好まれるいかの塩辛汁(日常の食生活)/夏の風物詩ところてん祭り(晴れ食、行事食)
◎秋…活気に満ちあふれる浜
何でも漬物にして冬を待つ(日常の食生活)/彼岸から続くお寺の行事(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
◎米、麦、いも
利用のしくみ、かて飯とぞうすい(麦飯、大根菜かて飯、わかめかて飯、いも飯、ぞうすい)、くず米の食べ方(かきっぽうほか)、晴れの食べもの(笹ずし、押しずしほか)
◎大豆
おぼろ
三、季節素材の利用法
◎野菜
利用のしくみ、大根ごっつぉのいろいろ(ぴんぴら、とうこん干し、さめぬた、お酢わえ)、大根葉を使った料理(煮菜、べた煮)
◎海産物
魚類利用のしくみ、魚類の加工と料理(いかの塩辛、塩辛汁)、海草類の加工と料理(塩漬わかめ、岩のり、えごぐさとえごねり、えぎすほか)
四、伝承される味覚
◎味噌と味噌煮
◎漬物
寒漬、ほう漬、味噌漬、かぶ菜漬
五、頸城海岸の食、自然、農・漁業
■「佐渡の食」=海に浮び、山と平野のある独立国
一、四季の食生活
◎冬…正月したくから彼岸まで
さつまいもかて飯、草もち(日常の食生活)/正月はもちとともに(晴れ食、行事食)
◎春…四月八日から節句まで
麦飯で農繁期をがんばる(日常の食生活)/農作業の節目にもち、だんご(晴れ食、行事食)
◎夏…田植え休みから月見まで
夏ばてを防ぐどじょう汁(日常の食生活)/墓前で赤飯を食べる盆迎え(晴れ食、行事食)
◎秋…稲刈りから大師講まで
収穫物はすてるところがない(日常の食生活)/新米でもちを搗く亥の子(晴れ食、行事食)
二、基本食の加工と料理
◎基本食の成り立ちと料理の手法
ごはん、もち、だんご
◎米
利用のしくみ、かて飯、麦飯、赤飯(さつまいも飯ほか)、ぞうすいとおかゆ(おじや、そばげえ)、もち類(草もち、こめぜえもちほか)、だんご類(かや巻きだんご、やせごまほか)
◎雑穀とくず粉〈利用のしくみ〉
麦こうせん、そばどじょう、そばカステーラ
◎豆類〈利用のしくみ〉
打ち豆
◎いも類〈利用のしくみ〉
三、季節素材の利用法
◎野菜、山菜〈利用のしくみ〉
ぜんまいの白あえ、ふきの煮しめほか
◎魚貝類と海草
にしん味噌、どじょう汁、いごねりほか
◎おやつ
四、伝承される味覚
◎味噌−味噌玉にせず、米こうじだけで
なめぜえ
◎醤油−醤油こうじづくりをくふう
◎つくり粕
◎漬物−大根漬が中心
大根の水漬、たくあん漬、梅干し
◎食用油、酢、薬味など
五、佐渡の食、自然、農・漁業
■人の一生と食べもの
一、救荒食
二、薬効があり、健康によい食べもの
三、お産と食べもの
四、冠婚葬祭と食事
結婚・婚礼において、葬儀にさいして
■新潟の食とその背景
一、米作一辺倒の農業
信濃川、新潟平野、雪/米、千町歩地主
二、新潟の食生活の特徴
上米を残すためのくふう/稲単作地帯の食の知恵/長い冬を越すために/雪の生活から解放された喜び/冠婚葬祭の料理にみる鮮やかなつくり分け
三、食による新潟県の地域区分とその指標
四、食を支える食、自然、農業
◎蒲原の食、自然、農業
偉大なる沖積低地、新潟平野/会津とのはざま、東蒲原/日本一の地主王国/福島潟畔における食と農業
◎岩船の食、自然、農業
岩船の風土と農業/豊かな流れ三面川/西興屋と村上の市
◎古志の食、自然、農業
古志の風土と農業/山ふところの棚状の水田/冬、雪による隔絶のなかで
◎魚沼の食、自然、農業、養蚕
魚沼の風土/雪と織物/山と川の接点、川口
◎頸城海岸の食、自然、農・漁業
頸城の歴史と自然/頸城沿岸−海と山の接点/能生−頸城漁業の中心地
◎佐渡の食、自然、農・漁業
佐渡ヶ島−平野のある島/国仲平野の豊かな稲作/畜産は佐渡牛を中心として/島国の恵み−ぶり、いか、わかめ
■新潟の食−資料
◎蒲原(福島潟畔)における基本食とその食べ方、福島潟からの食物利用のしかた
◎岩船(村上・西興屋)での基本食とその食べ方、野菜、山菜、果実、きのこの利用
◎古志(種苧原)での基本食とその食べ方、年間の食生活暦
◎魚沼の漬物の種類と食べる時期
◎頸城海岸(能生)の基本食とその食べ方、漬物類の食べ方、年間の食生活暦
◎佐渡(畑野・栗野江)での基本食とその食べ方、年間の食生活暦
■索引
■付録
■調査・取材協力者一覧
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