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岩手方言の語源


本堂 寛

岩手方言の語源
岩手の方言を、天地(自然や地形)、人間(人体名称、人倫、職業・身分)、日常(家の外・内、日用品)、生活(食物・料理、野菜・果物、遊戯)、行動・思考(行為、状態、感情)、動植物(動物、虫、植物)に分け、語源をひも解き、例文を引用しながら、詳しくわかりやすく解説する。そこには言葉を通して時代を超えた岩手の人と生活の姿が見えてくる。
●1,543円(税込)
●四六判、316頁
●04年1月
●熊谷印刷出版部
在庫あり:1〜3営業日でお届けします
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内容

北東北の方言は、青森・秋田・岩手中北部・山形庄内・新潟北部を含み、やや西日本方言的な傾向がある。南東北方言は、岩手南部・宮城・山形内陸部・福島を含み、関東方言とのつながりが濃厚である。
このように、岩手方言は、その内部が、中北部地域と南部地域とに大きく二分される。この範囲は、おおむね、中北部が旧南部領の地域と、南部が旧伊達領の地域と重なっている。


目次

■はじめに
■岩手方言の概観
■凡例

■1.天地
(1) 自然
オドゲル=(雷が)落ちる/オナリガミ=雷/カンダズ=雷/シバレル=きびしく冷え込む/シミル=凍る/タロヒ=つらら(氷柱)/トードサマ=太陽、月、雷、神/ナレァ=西南風/ネァ=地震/ヒカダ=西南風、南風/レァサマ=雷
(2)地形
イリ=奥、山奥/カッチ=水源地、川の上流、山の奥/ソネ=山頂、山の稜線、畑の中の荒地/ヒド=窪地/ヤジ=草などの生えた湿地、沢

■2.人間
(1)人体の名称など
アガカラ=赤痢/アキ°タ=顎/アグド=踵/オドケ°ァ=顎、下あご/コノゲ=眉毛/ショーガン=腸チフス、チフスの一般称/ツラ=顔/デンビ=額、ひたいが高く広いこと、また、その人/ナズギ=頭、額/ベロ=よだれ/ホッケァ=頬、ほっぺた/マナグ=目/メッチル=涙
(2) 人倫
アッパ=母、妻、主婦、祖母、老婆/アヤ=父/エナ=兄、長男、年長者/オーヤ=分家に対する本家/オガダ=妻、他人の妻/オジョメ=次男・三男あるいは弟の嫁、伯父・叔父の嫁/オボッコ=赤ん坊、乳児/オヤガダ=兄、兄貴分/ガギ=子供/ゴデ=夫、一家の主人/メラシ=女の子/モリヤ=嫁または婿の里方の両親/ワ=私、自分/ワラシ=子供、幼児/ンナ=お前
(3) 職業・身分
イサバヤ=魚を売る店/イダッコ=祈祷をしたり、死者の霊を口寄せしたりする巫女/ショドメ=田植え娘、田植え女/ハモド=漁師/ホイド=乞食/マダギ=猟師、鉄砲打ち

■3.日常
(1)家の外
アラギ=開墾地、焼畑/アワェ=あいだ(間)、すき間/エク°ネ=屋敷周りの林、生垣/クネ=農家の垣根、畑の境の垣根/クロ=田の畦/ツボメァ=庭園、花壇/ラントバ=墓地、墓所
(2)家の中
アカ°リッパ=家の中への上がり口、土間から居間への上がり口/カグジ=家屋の裏庭、せぢ(背戸)/グシ=屋根の棟、屋根/クズヤ=茅葺きや藁葺きの屋根、また、その家/クド=かまど、へっつい/コーガ=便所、厠、トイレ/スビド=囲炉裏、炉/スフロ=家の中に据え置かれた風呂、焚き口付きの風呂/ニワ=土間、作業場、屋内の板敷きで作業をする場所/ネダ=床下。床板/ハシリ=台所の流し、台所の流しの水/ハセ=刈り取った稲を乾燥させるための木をくみあわせた設備/ホド=囲炉裏の中心の火を焚くくぼんだ所/マキ°=屋根裏に架け渡した木、小屋などの天井裏に作った物置部屋/マセキ°=馬小屋の入り口の横棒/ヨゴザ=上座、炬燵・囲炉裏などの主人の席/ロージ=内庭、土間
(3)日用品
アガス=あかり(灯火)/アグ=灰/ウゴン=黄色/エンツコ=乳児を入れておくわら製のかご/オアシ=お金、貨幣の総称/オガロ=長火鉢、角火鉢/オガワ=持ち運びのできる便器、おまる/オデァモズ=お金/オボケ=麻糸を紡いで入れる笊/カサッコ=木の椀の蓋、木の小皿、小椀/カダマ=米などの入った俵一俵。また、その重量の荷/カナイド=木綿糸、縫い糸/カラゲ=すり鉢、素焼きの土器/キキ°=きね(杵)/キビチョ=きゅうす(急須)/コカ°=大きな桶や樽/ゴキ=木製の腕、大きな腕/コロシ=米粉などの大小をふるいわける用具、ふるい(篩)/ゴンド=ごみ/サスカ°=鞘のある小刀。切り出しナイフ/スズ=酒を入れる器、徳利/セァーバン=まな板/ツマゴ=わら(藁)で作った雪靴の一種/トシナ=正月に用いるしめなわ(注連縄)/ハギコ°=竹などで編んだ、腰に付けて歩く籠/ハンキ°リ=底の浅い木桶/ヒギワダ=まゆ(繭)から取った綿、真綿/ヒシャケ°=酒を入れる片口の器/フグベ=ひょうたん(瓢箪)/ホダレ=ぼろぼろの着物、粗末な着物/ホマジ=へそくり金、小遣い金/マギリ=柄のついた小刀、山刀/モンダラ=たわし/ユマギ=女性のつける腰巻

■ 4.生活
(1)食物・料理
アシェモノ=副食物、おかず/アセァ=朝ご飯/オゴゴ=お新香、野菜を塩で漬けたもの/オズゲ=お汁、味噌汁・醤油汁の総称/カシギ=炊事、炊事する人/キシネ=精白した米・麦などの穀類/キラズ=豆腐の絞りかす、おから/コビリ=朝昼晩三食の間に取る軽い食事/サグズ=米ぬか、ぬか/シットキ°=米の粉で作った団子の一種/ヌッペジル=とろろかけ汁/ハット=すいとん(水団)の一種/ヒッツミ=すいとん(水団)の一種/マンマ=ご飯、めし
(2)野菜・果物
イモノゴ=里芋/キミ−とうもろこし(玉蜀黍)/キンカ=まくわうり(真桑瓜)/ゴショイモ=じゃがいも(馬鈴薯)/タマナ=キャベツ/ナンバン=とうがらし(唐辛子)/ニドイモ=じゃがいも(馬鈴薯)/ネブカ=ねぎ(葱)/バッケァ=ふきのとう(蕗の薹)
(3)遊戯
ズンク°リ=こま/ハダ=凧

■5.行動・思考
(1)行為
アベ=行きなさい、来なさい/アンズコ°ド=心配事、心配、気苦労/ウッタズ=出発する、働きに出る/ウルガス=水に漬ける、水に浸してふやかす/オエル=生える、生長する/オシャラグ=(1)身なりを飾ること、おしゃれ(2)芸者、しょうぎ(娼妓)/オソベ=口笛/オダズ−調子に乗ってふざけ過ぎる、いい気になる/オッチョル=折る、へし折る/オデァル=いらっしゃる、おいでになる、「行く」「来る」「居る」の尊敬語/オドログ=目を覚ます、目が覚める/オヒナル=お起きになる、お目覚めになる、「起きる」の尊敬語/オヨル=おやすみになる、「寝る」の尊敬語/カッチャグ=爪などで強く掻く、ひっかく/カデル=(1)加える、合わせる(2)仲間に入れる/カバネヤミ=骨惜しみ、怠け者/カンツケル=人のせいにする、かこつける/ガンチョーメァーリ=元旦の宮参り、初詣で/キドゴロネ=衣服を着たまま仮眠すること、うたたね/ゲァーリ=回、度/ケーハグ=追従すること、へつらうこと、またその人/ケァッチャ=上下・表裏などが逆である、裏表だ、後ろ前だ、逆さまだ/ケァッパリ=川や堰に誤って落ちること/ゴシャグ=腹を立てる、怒る/ゴンケ=いばること、無理を言うこと/ザンゾ=影で人を悪く言うこと、陰口/シャブギ=咳、くしゃみ/セヤミ=怠けること、またそのような人/ソベァル=甘える、むずかる、わがままをする/ソンザス=物を傷めよごす/タマケ°ル=驚く、びっくりする/チョス=いじる、もてあそぶ、手で触る/ドデンスル=驚く、びっくりする/ニッカム=−顔をしかめる、障子の紙などにしわがよる/ネマル=座る、腰を下ろす/ハダズ=仕事に取りかかる、仕事を始める、仕事が始まる/ハダル=ねだる、催促する/マゲル=入れ物の水などを空にする/入れ物の水などを床にこぼす/マヨウ=弁護する/ムエル=卵がかえる(孵る)/ムンツケル=子供などがすねる、つむじをまげる/モゾ=寝言、うわごと/ヤグド=わざと、故意に/ヨッピデ=夜通し、一晩中/ヨメァコド=愚痴、小言/リギム=いばる、怒る
(2)状態
アメル=食べ物が腐敗する/イッツニ=とっくに/ウント=程度や量がはなはだしい状態を表わす言い方、たくさん、大変、非常に/エズ=目や衣服の間に何かが入ったようで異物感があり、痛かったりかゆかったりする/ガシェネァ=元気がない、弱々しい/ケガズ=飢えること、飢饉、凶作/サガシ=利口だ、ずる賢い/ザド=目の見えない人、目の見えないこと/シネァ=肉類などの、軟らかいようで筋っこくかみ切れない状態/ジョーヤ=きっと、おそらく、予想通り/スケァ=ので、から/ストンケ=まぬけ、ばか者(※相手を罵って言う言葉)/センドナ=先ごろ、先日/ソンマ=すぐに、まもなく/トロッペツ=いつも、絶え間なく/ナンボ=いくら、いくつ/ハガ=自分が受け持つ仕事の分量・範囲/ヒヒテ=一日中、終日/フッキ=たくさん、十分/ホダ=蕨の伸び過ぎたもの、蕨の枯れた茎/ホンデネァ=わけがわからない、混乱している/マデダ=まじめだ、丁寧だ、倹約家でつましい、けちだ/マメシ=健康である、達者である/ミギリ=みぎ(右)/ヤシェネァ=じれったい、気が気でない/ヨナガ=農作物の出来具合、作柄
(3)感情
アッタラモノ=惜しいもの、もったいないもの、貴重なもの/イダマシ=惜しい、もったいない/イダミッタ=痛ましい、惜しい、大切な/エァラシグネァ=こにくらしい、かわいげがない/オッカネェ=恐ろしい、こわい/カナシ=かわいい、かわいそうだ/キモヤゲル=腹が立つ、しゃくにさわる/ケァネァ=劣る、役に立たない、ひ弱い/ケナリイ=うらやましい/ショス=恥ずかしい、きまりが悪い/トジェン=退屈だ、寂しい/ムジェ=かわいそうだ、ふびんだ/メゲー=かわいい/ンニャ=いいえ(否定)
(4)心配り
エァンドリ=餅をつく時のこねどり/オウズリ=贈り物に対する返礼のちょっとした品/オホゲァ=盆の墓参り、盆供養/サナブリ=田植えの祝いの行事、田植えの後の休み/ハバギヌキ°=旅行から帰った時の無事を祝う宴/ユイッコ=田畑の農作業などで互いに手伝い合うこと

■6.動植物
(1)動物
ガンジョー=おうま(牡馬)/ギャラコ°=おたまじゃくし(蝌蚪)/クソヘビ=まむし(蝮)/シシ=鹿、かもしか/ジョーヤグ=めうま(牝馬)/ダンマ=めうま(牝馬)/トーネッコ=子馬、その年に生まれた馬/ビッキ=蛙/ベゴ=牛/マシ=猿
(2)鳥
チョーマ=つぐみ(鶫)/ツバグラ=つばめ(燕)
(3)虫
アガリ=蟻/アゲズ=とんぼ(蜻蛉)/イボクイムシ=かまきり(蟷螂)/エカ°ギ=蜘蛛の巣/オゴサマ−かいこ(蚕)/カッカベ=蝶、蛾/クジラムシ=わらじ虫(節足動物)/スカ°リ=蜂の総称/テビラッコ=蝶、蛾
(4)魚介類
アオ=ぶり(鰤)/カゼ=うに(雲丹)/カド=にしん(鰊)/キグ=たら(鱈)の白子、腑/コゲ=魚の鱗/ツブ=たにし(田螺)
(5)植物
アメフリバナ=ひるがお(昼顔)、つりがね草、たにうつぎ

■五十音順索引
■あとがき