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●7,150円(税込) ●A5判、387頁 ●99年11月第1刷、00年3月第2刷 ●東北大学出版会 |
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魯迅は、中国人を人種的に強化するため医学を選び、仙台医学専門学校に留学したようである。同時にそれは東京の留学生社会からの脱出であり、生身の日本に対する初めての接触でもあった。そこで魯迅は、徴兵制や凶作飢餓対策などを実現し、明治維新で一応の近代化を果たした日本の姿を体験する。藤野先生による解剖学の指導により、近代的学術の本格的な研鑽に励み、人種の強化とは誤認であり、学術とは中国よりも大きい存在であることを知った。魯迅はその世界認識を、中国民衆に知らせる使命感に燃え、医学から文学へと転身したようである。
序 章 医学から文学へ(一)
−清国留学生の危機意識−
(1)『吶喊・自序』のいぶかしさ
(2)清国留学生の危機意識
・『昭興同郷公函』
・日清戦争の敗北
・義和団事件
(注)
第一章 医学から文学へ(二)
−青年魯迅の中国・中国人観−
(1)社会進化論
(2)中国の「国民性」
(3)魯迅と仙台−日露戦争・徴兵制−
(4)魯迅と仙台−東北地方の凶作・救援活動−
(5)まとめにかえて
(注)
第二章 清国留学生と仙台市是「教育」
−日本と中国の学生観−
(1)仙台の土地柄
(2)仙台市教育会と教育市是
(3)学生に関する社会通念の違い
・「清国留学生取締規制」反対運動と「保護善導」
・清国留学生の社会的立場
(注)
第三章 魯迅の学校歴・学生生活(一)昭興
(1)昭興の塾と家庭
(2)家の没落−周一族内外と世間
(注)
第四章 昭興周辺の新式教育の動き
(1)昭興「中西学堂」(徐樹蘭)・蔡元培と杭州「求是書院」
(2)新式学校「中学堂」の流行とその教育改革
(3)馬寅初とくらべて
(注)
第五章 魯迅の教育・学校歴、学生生活(二)南京
(1)江南水師学堂の“鳥烟瘴気”
(2)砿路学堂の開設と戊戌の政変−魯迅の科挙受験−
(3)南京時代砿路学堂の学生生活、馬寅初と較べて
(注)
第六章 魯迅の日本留学
(1)砿路学堂の卒業から日本留学
(2)弘文学院
(3)交友関係・「浙江同郷会」・「浙学会」・「光復会」
(4)成城学校入学事件・弘文学院同盟休校・「拒俄義勇隊」など
(5)日本の印象
(6)文筆活動とその思想・意識−近代科学と革命(一)−
(注)
第七章 魯迅と仙台医学専門学校
(1)仙台医学専門学校へ
(2)魯迅と仙台医学専門学校内外
(3)解剖学・藤野厳九郎先生
(4)再び医学から文学へ−近代科学と革命(二)−
(注)
図録の出典乃至原資料収蔵機関の一覧
あとがき
索引
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