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津波の恐怖

−三陸津波伝承録
(東北大学出版会叢書9)


津波の恐怖
三陸津波史が語る津波災害の呪わしい特徴は、一度にたくさんの命が失われる大量死の恐怖であり「引き波の」猛威による多くの遺体の海の藻屑化という無残であった。
数えきれないほどの途方もない命を奪ったインドネシア・スマトラ沖大津波は、不幸、不本意にも最悪のかたちでこの特徴を証明し、裏付ける史上最大の津波になった。
「津波は、いわば海の底からヘドロを巻き上げながら海ごと走って来て、家も人も薙ぎ倒し、押し潰し、さらって行く、もの凄い破壊力を秘めた狂濤なのである」(本文より)
●2,200円(税込)
●四六判
●05年3月第1刷、05年4月第2刷
●発行/東北大学出版会
在庫あり:1〜3営業日でお届けします
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内容

三陸津波史が語る津波災害の呪わしい特徴は、一度にたくさんの命が失われる大量死の恐怖であり「引き波の」猛威による多くの遺体の海の藻屑化という無残であった。数えきれないほどの途方もない命を奪ったインドネシア・スマトラ沖大津波は、不幸、不本意にも最悪のかたちでこの特徴を証明し、裏付ける史上最大の津波になった。「津波は、いわば海の底からヘドロを巻き上げながら海ごと走って来て、家も人も薙ぎ倒し、押し潰し、さらって行く、もの凄い破壊力を秘めた狂濤なのである」(本文より)


目次

はじめに

(1)悲劇的津波海岸
   −三陸海岸の津波史−

(2)「津波地震」による不意打ち津波
   −明治三陸大津波の場合−

(3)流死者の半数は海の藻屑に
   −津波における「引き波」の猛威

(4)死者の性別は女の方が多かった
   −体力の問題と「家」の重荷−

(5)溺死の最多は子供と老年世代
   −昭和三陸津波と北海道南西沖地震津波の場合−

(6)生死を分ける分秒の闘い
   −機敏な避難と「逃げたら戻らない」のが鉄則−

(7)「津波てんでんこ」
   −災害弱者の避難と安全確保の課題も−

(8)田老町の大防潮堤略史
   −原点は「私たちの町は私たちで守る」−

(9)これより上に家を建てるな?
   −「高所移転」七十年後の新しい問題−

(10)捏造だった「津波石」の写真
   −明治三陸津波に関する一部の偽造資料について−

(11)今村明恒博士の「防災地震学」
   −その今日的な意味を考える−

(12)列島「大地動乱の時代」を迎えて
   −災害教訓の伝承と防災教育−

(13)スマトラ島沖津波の報に思う
   −「あとがき」にかえて