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●2,420円(税込) ●A5判、216頁 ●03年12月発行 ●東北大学出版会 |
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東北日本の日本海側の山間部は、最深積雪2メートルを超える世界でも有数の多雪地帯である。著者は、この多雪地帯で、生業として行われてきたゼンマイ採集の実態を、地元の山菜採りに弟子入りして採集活動に参加することで詳細に観察・記録した。
本書の特徴は、緻密なフィールドワークによる山菜採りの生き生きとした描写と、自然資源の持続的な配分を可能とするテリトリー制の動態をポリティカルエコロジーの視点から解明した点にある。環境と人間との関係に関心のある地理学、人類学、社会学などの読者にとって必読の書である。
第1章 自然環境利用型の生業とテリトリー制
1、自然資源依存型の生業に関する先行研究
2、調査地域と調査方法
3、調査地域の選定
第2章 ポリティカルエコロジーの枠組み
1、事例研究の多様性
2、ポリティカルエコロジーの三つの文脈
3、本書における概念規定
第3章 山村における商品経済化と採集経済の成立
1、日本の山村における商品経済化と資源利用の変化
2、江戸時代から明治初期にかけてのゼンマイ生産
3、明治後期、大正期のゼンマイ生産
4、まとめ
第4章 ゼンマイ採集の生態と資源利用 −新潟県朝日村三面の事例−
1、調査地域の概観
2、ゼンマイの生態
3、ゼンマイ採集活動
4、積雪・ゼンマイの生態と採集活動の特性
5、まとめ
第5章 採集者の環境認知と採集テリトリー
1、フォークノレッジ
2、メンタルマップ
3、ゼンマイ採集と採集テリトリー
4、採集テリトリーの変容とその原因
5、まとめ
第6章 ゼンマイ採集空間の分割 −福島県只見町蒲生の事例−
1、調査地域の概観
2、明治時代のゼンマイ採集
3、大正時代から昭和戦前期にかけてのゼンマイ採集
4、高度経済成長期から現在までのゼンマイ採集
5、まとめ
第7章 結論
1、生業活動における資源利用とテリトリー制のあり方
2、テリトリー制の変容過程とその要因
3、テリトリー制の存在形態と空間認識
注釈
あとがき
参考文献
索引
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