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●2,409円(税込) ●四六判、338頁 ●04年6月発行 ●東北大学出版会 |
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「かなしみを超える愛」−父と母の隠された「真実」を追い求め、そして姉と弟の稀有な姿をとどめおくために、渾身の力を込めた畢生の書。結婚以前の父次郎と母つねを襲った忌まわしい「事件」とはなにか。家族のその後を運命づけるこの事件を核心に据え、成長する子供たちのさまざまな姿を通して、家族の「愛とかなしみ」の絆が解き明かされていく。喜び、そしてかなしむ「素顔の」阿部家のひとびとによって、人間の「真実」が浮かび上がってくるだろう。『三太郎の日記』執筆の真の動機がいまはじめて明らかになる。
序 長谷川公一
はじめに
1 輪廻転生
・千枝子誕生
・幼い死
・恵晃善童子
2 おとうと
・チーコとケーゴ
・徒歩旅行
・青春の京都
・学徒出陣
・甲幹不適、乙幹不適
・本土決戦
・父と子
・世界の平和ここに眠る
3 母−悲母観音
(1)三太郎の妻
・『三太郎の日記』を追って
・影の女
・赤門を出た男 上・下
・結婚へ
・東京府中中野町の十年
・仙台へ
(2)ついの住みか
・平穏な日日
・フェミニズムとヒューマニズム
・出逢いと別れ 上・下
・−和辻哲郎夫妻との交流−
・赤化の嵐
・母の昇天
年譜
あとがき
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